「共に生きていく」

人もレモンも虫も動物も、共生していくことを大切にした農業を営む、ナチュラルファーム喜雨さん。ノノズマフィンで使用している爽やかな香りが最高な上毛町産レモンは、ナチュラルファーム喜雨さんのレモンです。

今回はたくさんのレモンがなる素敵な農園にお邪魔して、オーナーの松本さんにたっぷりお話を伺いました。

「喜雨」とは、かんかん照りの日が続いた後に降る、恵みの雨のこと。こういう時は休み、美味しいご飯やお酒を飲んで宴をする。忙しい現代のみなさんに、美味しい野菜やレモンが癒しになれば、と付けられた名前です。素敵ですね。

 

●農園で栽培している品種を教えてください。

ユーレカやリスボンといった代表的なレモンの品種から、マイヤーレモンや新品種の璃の香(りのか)まで、現在は4種類のレモンを栽培しています。

また、畑は徐々に縮小していますが、じゃがいもやにんじん、赤大根などの野菜も栽培しています。

 

●農園の特徴や栽培のこだわりはありますか?

農家を始めた頃から、農薬や化学肥料を使用せず、自然と共生する農法を目指しています。逆に農薬の使い方も分からないくらいです。それほど、農薬を使わないことが普通なんです。

虫や鳥と果樹が共存する環境を大切にしているため、「害虫」という概念もなくなりました。

農薬を使わないからこそ、蜘蛛の巣を壊さず、カマキリの卵もそのままに、一緒に循環しながら生きていく。レモンの木に良くない影響を与える虫も、スズメバチやカマキリ、蜘蛛が食べてくれるから、いないと困る。鳥も巣を作ったりする。いろんな虫や生き物がいるから、農園が成り立っています。

また、勤めている福祉施設の利用者さんにも、草刈りや剪定、収穫を手伝ってもらっています。現在は3名の方が関わってくれていて、いずれも農業の関心のある方です。

利用者さんの中でも興味のある方が自主的に希望し、楽しんでやってもらいたい。自分自身が農業を大好きなので決して強制したくなくて。「しないといけない」ではなく、「したい」であってほしい。利用者さんにも農業を好きでいてほしいし、そう思い続けてもらえるように自分も努力をしたいと思っています。

 

農家を始めたきっかけは?

元々は会社員で、今でも福祉施設の職員と兼業で農家をしています。

父も農家だったけれど、農薬を使うやり方をしていたので、同じ方法ではできないなと思っていて。趣味の旅行やキャンプで色々な場所に訪れる中で、無農薬で野菜を作っている農家さんに出会ったりして、そういうやり方、生き方を「良いなぁ」と思ったことがきっかけでした。

それに、農業は究極のアウトドア。自然やキャンプが好きな自分に、向いていると思いました。

農家を初めて13年後に、レモンづくりを始めました。それまでは、無農薬で少量多品目、配達もしながら畑で野菜を育てていましたが、休日もない忙しさに無理が祟り腰をやってしまいました。「持続可能な農業を」と言いながら畑をやっていましたが、自分自身が持続可能な環境を作れていなかった。何か他の方法を考えないといけないと思いました。

そんなタイミングで町からレモンを特産品にしたいと相談をもらい、徐々にレモンに転向していきました。初めの3年は収穫がなく、やれることは草刈りくらい。時間をかけて土壌をつくり、4年目にしてやっと収穫できるようになっていきました。

 

どういった時に農家をしていてよかったと思いますか?

春先にはレモンの花がたくさん咲くので、その中で作業をすることも好きです。草がぼうぼうになった中、日中の暑い時に頑張って草刈りをして、山積みになった草ときれいになった農園を見た時の達成感を味わうことも好きです。

毎日、畑にいる時点で楽しさを実感しています。

そして、作ったレモンや野菜を「美味しい」と言っていただけることも嬉しい。次に買うタイミングで声をかけてくださったり、わざわざ連絡をくださったり、嬉しいなと思います。

 

レモンや野菜はどこで購入できますか?

「道の駅しんよしとみ」か、勤めている福祉施設の事業所「ハミングバード」、直接の販売も可能です。

(※ページ下部に販売所の情報を記載。)

 

ノノズマフィンのお客様へメッセージ

レモンの使い方は買い手に自由に委ねていますが、農園で精一杯作ったレモンを使っていただけることが嬉しい。

レモンの爽やかな香りを、ぜひ味わって楽しんでほしいと思います。

そしてぜひ、農園にも遊びに来てください。毎年、近隣の小学生が収穫体験に来てくれるのですが、もっといろんな方にも収穫体験を通して、実際に自分の目で見て、触れて、自然を知ってほしい。こういういろんな動植物と共生できる農業の形を体験してほしいと思っています。

 

福岡県産で、無農薬・無化学肥料のレモンはとっても貴重です。

探しても探しても中々出会えず、数年前に産地見学ツアーに参加したことで不意に出会えたナチュラルファーム喜雨さん。その場で参加者の皆様をお待たせしてでもレモンを購入して帰ったほど、当時のノノズマフィンにとって願ってやまない貴重な出会いでした。

そこから毎年、冬初めのレモンの時期になると喜雨さんからレモンを購入しています。「アールグレイと無農薬レモン」のマフィンは、ノノズマフィンの中でも人気の商品!季節が限定されるにも関わらず、人気を博しています。今回もたっぷりとレモンを購入して帰りました。

「アールグレイと無農薬レモン」の登場も、もうそろそろ!ぜひ季節の商品を楽しんでください。

最後に、お話をたくさん聞かせてくださった松本さん、お忙しい中お時間をいただきありがとうございました!

– ナチュラルファーム喜雨
0979-64-7933
s.matsumoto626@ezweb.ne.jp

– 道の駅しんよしとみ(販売所)
築上郡上毛町大ノ瀬304-1
0979-84-7077

– ハミングバード(販売所)
福岡県豊前市川内2344-3
0979-64-9661

Interview column & photos:studio cactus